eラーニング・プログラム第15回
レベルメーターの種類(その1)「なぜレベルメーターが必要なのか」
音響機器を扱う際に、エンジニアが注意を払わなければならないのが、音声信号レベルです。
ミキサーに入ってきた音声信号レベルが低すぎたり、逆に高すぎたりした時は、
ミキサーの入口すぐのところで適正な信号レベルに調整する必要がありますし、
ミックス後にミキサーから次の音響機器に向けて送り出す音声信号のレベルも、
適正なレベルで送り出されるように調整する必要があります。
音声信号レベルが適正レベルになるようにするこうした調整は、
ミキサーの前後だけでなく、全ての音響機器同士の入出力においてなされる必要があります。
それを怠ると、「過大な音声信号の入力によって音が歪(ひず)む」、
逆に「あまりにも過小な音声信号を次の機材で増幅することによってノイズの目立つ、
いわゆるS/N(エスエヌ)の悪い音になってしまう」といった現象が起こります。
アマチュアの方々の作った音源には、こうした「レベル調整が不十分であるために発生する、
歪みやS/Nの悪さ」がしばしば見られます。
ちなみに、S/NのSはSignal、NはNoiseの頭文字ですので覚えましょう。
S/Nは、Nが分母でSを分子とする分数ですから、Sが小さかったり、Nが大きかったりすると、
音声信号に対するノイズの比率が高まってしまいます。
だから、音響機器間の音声信号のやり取りに際しては、
歪まない程度の大きな音声信号に調整した上で、次の音響機器へ送り出してあげることが基本となります。
その方がS/Nの良い状態で最終的な音を作れるからです。
(ただしこの基本は、あくまでもアナログ音声信号のやり取りに際しての基本なので、
ディジタル信号でのやり取りに際しては少し考え方を発展させる必要があります。
それについては入学後にじっくりお教えします)
こうした音声信号レベルの調整のために必要なのが、レベルメーターなのです。
次回からは、様々な音響機器操作用レベルメーターのうち、
代表的なメーターを種類別に紹介していきます。