eラーニング・プログラム第14回
音声信号レベル(その3「アンプレベル」)
マイクロホンから出力される「マイクレベル」の音声信号は、多くの場合、ミキサーのH.A.(Head Amp)=Input Gainで数百倍から1000倍程度に増幅されて「ラインレベル」になります。
ミキサーから他の音響機器に出力される音声信号も「ラインレベル」ですし、その後に接続されるエフェクターやレコーダーなど様々な音響機器も、「ラインレベル」で信号を受け、「ラインレベル」で送り出すことを前提に設計されています。
しかし、ラインレベルの音声信号は1V程度です。「マイクレベル」の音声信号よりは大きいものの、1V程度というのはやはり小さな電圧に過ぎませんので、これをスピーカーに繋いでも、スピーカーユニットを動かして大きな音を生み出すことはできません。
スピーカーを鳴らすためには、「ラインレベル」の音声信号を、さらに大幅に増幅し「アンプレベル」にする必要があるのです。
そのために用いられるのが、パワーアンプです。
パワーアンプは、画像に置き換えれば望遠鏡に相当します。音声信号を極端に大きくすることができるのです。
大幅に拡大、増幅された音声信号は、大きな電圧の信号をロスなく送るための太いスピーカーケーブルでスピーカーに送られ、その大きな電圧によってスピーカーユニットを動かし、その結果としてスピーカーから音が聞こえるようになるのです。
この原理はスマホのスピーカー、イヤホンやヘッドフォンでも同じです。
スマホの再生ボリュームを上げると、スピーカー、イヤホン、ヘッドフォンから聞こえる音量が上がりますよね?
あれは皆さんが、スマホのヘッドフォンアンプのボリュームを上げて、スマホの中を流れる「ラインレベル」の信号を「アンプレベル」まで増幅しているからなのです。
マイクレベル<ラインレベル<アンプレベル
という関係性があることを、ぜひ覚えておいてください。