eラーニング・プログラム 第6回

第6回 音の大きさ(その3)「デシベルの話」

前回、「音圧(単位はμPa)」と「音圧レベル(単位はdBspl)」の関係性について解説しましたが、

今回は、「音圧レベル」の表示に用いられるdB(デシベル)について解説します。

まずは、島村楽器さんが、初心者向けに解説してくれているウェブサイトがありますので、そちらを熟読してみてください。

お読みいただけましたか?

全部を理解するのは難しかったかもしれませんが、砕けた表現でわかりやすく解説されていますよね。

ただし、このサイトの文章は、ミュージシャン向けの解説なので、正確さよりも感覚的なわかりやすさを優先しているところがありますのでその点だけご注意いただきたいと思います。

例えば、サイトの説明では不正確であることを承知の上で、dBを「単位」と呼んでいますが、厳密にはdB単体では単位にはなれません。

g(グラム)、m(メートル)、℃(度)といった単位は、全世界どこでも、過去においても未来においても普遍的なものです。例えば、1mという長さが、場所や時代で変わってしまうことは絶対にありませんよね。

ところが、dBの場合、「0dB」とか「1dB」と言われただけでは、それがどのぐらいの大きさなのかはわからないのです。

なぜなら、「0dB」には「1倍」という意味しかないのです。基準になる値を決めたら、その基準値をその都度0dBと表現することになっているのです。

例えば基準となる電圧が1Vの時は0dB=1Vですし、基準の電圧が0.775Vの時は、0dB=0.775Vということになってしまうのです。同じ0dBの値が、1Vになったり、0.775Vになったりするのですから、dBは「単位」とは呼べません。

「音圧」と「音圧レベル」との関係の場合は20μPa=0dB(spl)となるのは前回までにご説明した通りです。

つまり、基準とする数値次第で、同じ0dBが、1V、0.775V、20μPaとその姿をカメレオンのように変えています。

「0dB」には「1倍」という意味しかないということ、おわかりいただけたでしょうか?

今日はまずそこまでお分かりいただければ十分です。