Eラーニング・プログラム 第5回

第5回 音の大きさ(その2)

人間は、音の大きさを対数的に感じています。

つまり、基準になる音の大きさに対して、今聴いている音が何倍なのか、何分の一なのか、という感じ方をしているのです。

そこで、音の大きさに対する人間の感じ方に近い「dB(デシベル)」という対数を利用して音の大きさを表現することに決め、「音圧レベル(Sound Pressure Level)」というものを使うようになったのです。

<「音圧」と「音圧レベル」との関係>

人間の最小可聴音圧はもう覚えていますね?

そう、20μPaです。

「音圧」と「音圧レベル」との関係は、20μPa=0dBspl(ゼロディービーエスピーエル=最小可聴音圧レベル)と表すことができます。

つまり、人間の最小可聴音圧20μPa=最小可聴音圧レベル0dBspl と規定して、音の大きさを、「最小可聴音圧レベルの何倍の大きさか」で表すことにしているのです。

この「音圧レベル」を用いると、人間の最大可聴音圧レベル=120dBsplということになります。

「音圧」で表そうとすると、20μPa〜20,000,000uPa(=20Pa)もの差になってしまう耳のダイナミックレンジ(=耳で聞き取れる音の大きさの幅)が、「音圧レベル」では0dBspl〜120dBsplという非常に小さな数値差で表現できるのです。

しかも、「音圧レベル」では、「絶対値としての音の大きさ」も、「複数の音源から発せられる音の大きさの差」も、人間の聴感に近い数値で表せるので、トレーニングさえ詰めば、かなり正確に「音圧レベル」や「音圧レベル差」を言い当てられるようになるのです。

まとめます。

  • 音の大きさを表すには、「音圧」(単位はμPa)、「音圧レベル(単位はdBspl)」という二つの尺度がある。
  • 人間は音の大きさを対数的に感じるので、対数を用いた「音圧レベル」の方がミクシング業務には便利。
  • 「音圧」と「音圧レベル」の間には、20μPa=0dBsplという関係性がある。